設計を担当することになったのは、選抜された3名の研究員であった。
椅子に座り、ベルトを巻くだけで、自動的にベッドになるという機能を持たせることが、最初の難関であった。さまざまな方法が検討されたあと、従来品での脇を固定して腰を引っ張るという固定概念を捨て、腰を固定して脇を引っ張る方式が採用されることとなった。
幾種類もの実験機が製作され、実験が始まった。実験を進めていくうちに、牽引装置では当たり前であったワイヤー巻き取り方式では、部品点数が多くなり複雑な構造になるため、商品化が極めて困難であることが分かってきた。ここでも固定概念を捨て、ワイヤーの巻き取り方式から電動アクチュエーター方式への変更に踏み切った。
このほかにいくつもの固定概念を捨て去り、新たな方法を模索する中で、鉄人32号は完成に至ったのであった。
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