みなと健康ステーション

第8回 変形性膝関節症のO脚と筋肉の関係

今回は変形性膝関節症のO脚と筋肉の関係についてお話したいと思います。少し変形性膝関節症について復習してみましょう。変形性膝関節症は、加齢などに伴い、関節軟骨が磨り減り、関節が変形してゆがむ病気です。中高年以降で明確な原因がなく膝が痛む場合、変形性関節症が疑われ女性に多い疾患です。
また変形性膝関節症を患っておられる患者様の数は2530万人にも上ると言われています。 概ね内反変形(O脚)になることが多く、予防としては、大腿四頭筋の筋力強化がおすすめです。

変形性膝関節症のO脚と筋肉の関係

大腿四頭筋は、太ももの前面を覆う四つの筋肉からできています。非常に強力な力があり、膝関節の安定化に最も重要な筋肉と言われています。その大腿四頭筋を強化していくというのは合理的で有効な方法と言えます。
しかし、実際の治療では大腿四頭筋の筋力強化と、周辺のマッサージやストレッチをしただけではなかなか痛みの症状が良くならないことがあります。その経験の中で得られた情報をご紹介したいと思います。
まず、関節にかかる力と痛みとの関係を理解する必要があります。関節が変形すると、体重を掛けたときの関節に対する力の加わり方が変わってきます。(図2)

変形性膝関節症のO脚と筋肉の関係

図にあるようにミクリッツ線というものがあり、大腿骨頭(大腿骨の上端)の中心と足関節の中心を結ぶもので下肢荷重線(Mechanical axis)とも言い、簡単に言えば体重(荷重)がかかる軸です。図左のイラストのように正常な膝では軸が膝の中心を通るため、膝に掛かる体重は関節内で分散されます。しかし、内反変形(O脚)になった膝では図右のように荷重線が膝の内側を通るようになり、この状態で上から体重が加われば、関節の内側に体重が集中することになります。
では、もう少し詳しく関節にかかる力を見てみましょう。

変形性膝関節症のO脚と筋肉の関係

内反変形(O脚)になった膝に体重が上から掛かると、関節の内側部分を支点に大腿骨と脛骨が内側に向かって折れるような力が加わり、関節が外に向かって崩れる形になります。そうなると体重は関節の内側に集中し、変形がさらにすすみ、痛みを引き起こすというわけです。(図3)
そこで、この痛みを軽減するためには外側に崩れようとする力に対して内側に引き戻そうとする力を強化すれば良いということになります。内側に引き戻すために、今度は図4①②の矢印のように今までと逆の力が必要になってきます。①、②は回転する力を表していますので図5のようにも表現することが出来ます。

変形性膝関節症のO脚と筋肉の関係

①の力に関係する筋肉としては青色矢印の股関節の内転筋、大殿筋、②の力に関係する筋肉としては大腿筋膜張筋、大腿二頭筋(外側ハムストリングス)、大腿四頭筋、前脛骨筋等が挙げられます。(図6)
これらの筋を強化することにより、外に崩れようとする関節を内側に引き戻す力を養い、内側にかかる荷重痛の軽減を図っていくことが出来ます。以上、簡単ではありましたが関節にかかる力と痛みとの関係、それに関わる筋群について述べさせていただきました。 次回は、これらの筋のトレーニングの具体的な方法についてお話したいと思います。

変形性膝関節症のO脚と筋肉の関係

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