筑波学園病院リハビリテーション科部長 坂根正孝先生インタビュー(後半)

  • ラグビーでは主にどんな症状に対して、どういう治療がされますか?

    超音波治療は、多くはアキレス腱周囲炎。いわゆる慢性の付着部炎。アキレス腱だったり、膝蓋腱だったり。あとは軽い肉離れからの復帰後などに使います。

    超音波治療器は治療プログラムが分かりやすいです。選手にはそれぞれ好きなセットがあって、各選手の好みも含めて治療します。超音波治療はシーズン中に一番使いますね。
    超音波と低周波治療が両方できる複合機もありますが、複数の選手を同時に治療するにはこういう単独の治療器は良いですね。
    選手も怪我の治療には真剣で、選手同士でも超音波治療についての情報交換をよくしていました。それからツアーで移動の際には機内持込をしますが、コンパクトなのは、チェックインの際にも問題がなく助かります。ケースが大きいと開けられたりしますからね。

    コンタクトスポーツのラグビーやアメフトでは「バーナー症候群」が非常に多いです。コンタクトした時に、腕神経叢が引っ張られて、ビリビリと痺れます。そして1日2日首が痛かったり、重かったり、手の痺れが残ったりします。
    そういう場合にはレーザー治療が良いですね。1分間を3~5回照射します。

    膝蓋腱や靱帯、末梢神経系の炎症の際などにも使いますし、筋緊張で緊張性の頭痛があるとか、頭が重いとか、そういう場合にも使います。
    治療部位は、頚椎の後ろですね。facetつまり椎間関節とか、腕神経叢の出口のあたりに照射するんです。

    治療して翌日には、効果が実感できます。トレーナーや選手も、回復が早いと言っています。
    交通事故のムチ打ちの患者さんにも使えるのではないかと感じますね。
    使い分けとしては、靱帯とか腱とか筋には超音波治療。神経系の痛みにはレーザー治療を行っていますね。

そうなんですね。よくわかりました。
坂根先生、今日はありがとうございました。
これからもトップチームのチームドクターとして、ご活躍を期待しています。
ミナト医科学も、メーカーの立場からスポーツ選手のバックアップを行ってまいります。